勉強を効率化する方法は数えきれないほど存在します。暗記カード、マインドマップ、ポモドーロ・テクニック……。
けれども、どんな方法にも共通して大切なのは「自分に合ったやり方を見つけること」です。
近年、そんな数ある勉強法の中でも注目を集めているのが「ドゥードゥリング」と「ブラッティング」という2つの手法です。どちらもシンプルで手軽に始められるのに、記憶定着や理解度アップに大きな効果を発揮すると言われています。
この記事では、「ドゥードゥリング」と「ブラッティング」それぞれの特徴やメリット、具体的なやり方を詳しく紹介します。
ドゥードゥリング勉強法とは

ドゥードゥリング(Doodling)は、ノートの余白などに「落書き」しながら学ぶ手法です。
授業や読書、会議などのインプット中にペンを動かして絵や模様、図、シンボルなどを自由に描きながら情報を整理します。
特徴的なのは、上手な絵を描く必要はまったくないことです。
関連するイメージやキーワードを図解するのはもちろん、ただペンを動かして線や模様を描くだけでもOKとされています。
むしろ単純な線やパターンを繰り返し描く動作が、脳の退屈を防いで注意を持続させる「マインドレスな集中」を生むとされます。
歴史・背景
ドゥードゥリングは、もともとは会議や授業中の「落書き」が持つ意外な効果として注目されました。
「落書き=集中していない証拠」と思われがちですが、研究ではむしろ、手を動かすことで注意力を維持し、聴いている内容を記憶しやすくなることが示されています。
視覚的な記憶を活性化し、脳をリラックスさせながら情報を整理できる手法として、教育現場でも活用されるようになっています。
2009年の研究では、単調な電話メッセージを聞く実験で、ドゥードゥリングをしていた参加者は約29%多く内容を記憶していたと報告されています。
こうした結果から「ぼーっとする」のを防ぎ、退屈感を緩和する効果が期待されています。
メリット
ドゥードゥリング勉強法には、以下のようなメリットがあります。
- 記憶定着が高まる
文字だけでなく図やイメージを使うことで、情報をより深く理解し、長期記憶に残りやすくなります。 - 集中力が持続しやすい
退屈しがちな授業や講義でも、手を動かし続けることで眠くなりにくく、集中を維持しやすいです。 - 創造的思考を刺激する
イラストや図解を通じて、新しい関連づけやアイデアを引き出せるため、発想力も磨かれます。 - 退屈や雑念を抑制する
ただペンを動かして模様や線を描く「無意識的な落書き」でも、頭がぼんやりしてしまうのを防ぎ、気を散らす雑念を減らす効果があります。
やり方
ドゥードゥリングは特別なスキルや道具がなくても、すぐに始められるのが魅力です。
以下のポイントを参考に、自由に試してみましょう。
- ノートの余白に簡単な絵や図を描く
難しく考えず、 stick-figure(棒人間)やシンプルなアイコンでOK。 - キーワードを囲む・つなげる
矢印や枠線で関連する概念を結び、情報の流れを整理します。 - ストーリー仕立てで情報を整理する
項目ごとに登場人物や場面を設定し、物語として記憶に残す方法も有効です。 - ただペンを動かして波線や模様を描くだけでもOK
「手を動かす」という動作そのものが集中を助けるから、意味のない線でも問題ありません。
ドゥードゥリングは、簡単に取り入れられる「能動的な学びの仕掛け」です。
勉強中に「ついぼーっとしてしまう」「長時間集中が続かない」と感じたら、試しにペンを走らせてみてください。ただペンを動かすだけでも効果は期待できます。
ブラッティング勉強法とは

ブラッティング(Blotting)は、自分の頭の中にあることを紙に「しぼり出す」ように書き出す勉強法です。
教科書やノートを閉じた状態で、覚えている内容をすべて自分の言葉でアウトプットするのがポイント。
「わかったつもり」を防ぎ、理解を深めるための習慣的な手法として注目されています。
歴史・背景
この勉強法は、学習心理学で知られる「アクティブリコール(積極的想起)」の原理を活用したものです。
アクティブリコールとは、「情報をただ読み返す」のではなく、自分の頭から思い出す過程で記憶を強化する学習法です。
ブラッティングは、この思い出す行為を紙に書くことでより明確にし、弱点を見つけやすくする実践的な方法として取り入れられています。
メリット
ブラッティング勉強法には、以下のようなメリットがあります。
- 理解度を正確に把握できる
書き出すことで「知っているつもり」と「本当に覚えていること」の差がはっきりします。 - 記憶の定着を促進する
思い出す行為そのものが長期記憶を強化します。書くことでさらに手を使った運動記憶もプラスされます。 - 復習効率が高まる
書き出した内容を参考書やノートと比較することで、復習すべきポイントが一目瞭然になります。 - 自分の言葉で整理する習慣がつく
覚えたことを説明できる形にすることで、本質的な理解が深まります。
やり方
ブラッティングは特別な道具や準備は必要ありません。
以下の手順で誰でもすぐに取り入れられます。
- 1. 白紙を用意する
ルーズリーフやノートなど、自由に書ける紙を用意します。 - 2. 覚えていることをすべて書き出す
教科書やノートを閉じた状態で、頭の中の知識を自分の言葉で書き出します。箇条書き、文章、図解、何でもOKです。 - 3. 参考書やノートと照らし合わせて確認
書き出した内容を正しい情報と比較し、抜けていた部分や間違いをチェックします。 - 4. 繰り返し実施する
間違えた部分を重点的に覚え直し、時間をおいて再度ブラッティングを繰り返すことで、記憶が強化されます。
ブラッティングは、単なる書き写しや読み返しとは異なり、「自分の頭で考えて再現する力」を養うアウトプット型の勉強法です。
試験勉強や資格学習、暗記が必要なあらゆる場面で応用できるので、ぜひ一度試してみてください。
ドゥードゥリングとブラッティングの比較
ドゥードゥリングとブラッティングは、どちらも「手を動かしながら学ぶ」という共通点を持つ勉強法です。
しかし、その目的や使いどころには違いがあります。
ここでは、両者を比較して、自分に合った使い分けを考えてみましょう。
| 特徴 | ドゥードゥリング | ブラッティング |
|---|---|---|
| 主な目的 | 記憶の整理・集中力維持 | 記憶の定着・理解度確認 |
| 実施タイミング | インプット中(授業・読書など) | インプット後(復習タイミング) |
| 向いている人 | 視覚的に覚えるのが得意な人 | 手を動かして理解を深めたい人 |
使い分けのポイント
- ドゥードゥリングは、参考書を見ながら記憶したり、読書をしながらなど「インプット中」に役立ちます。 退屈しやすい場面で注意を保ち、情報を図やイメージで整理しながら覚えられるのが魅力です。
- ブラッティングは、インプットを終えた後の「復習」に最適です。 頭の中にある知識を紙に書き出すことで、理解度を客観的に確認し、弱点を明確にできます。
併用するのもおすすめ
ドゥードゥリングで参考書や本を読みながら情報を整理し、ブラッティングであとから書き出して復習する。
この流れを作ることで、インプットとアウトプットを組み合わせた強力な学習サイクルが完成します。
どちらか一方だけにこだわるのではなく、場面や目的に合わせて使い分けてみましょう。
まとめ
ドゥードゥリングとブラッティングは、どちらも「受け身」ではなく「自分から手を動かして学ぶ」ことを大切にした勉強法です。
ドゥードゥリングは、参考書や読書中などのインプットの場面で、落書きを通じて注意を維持し、情報を整理しながら覚えるのに役立ちます。 一方、ブラッティングはインプットを終えた後の復習で、頭の中にある知識を紙に書き出すことで、自分の理解度を確認し、記憶をより確実に定着させる手法です。
どちらか一方を選ぶのではなく、学習のフェーズや目的に合わせて使い分けたり、組み合わせたりすることで、より効果的な学習サイクルを作れます。
「自分に合ったやり方」を見つけることこそ、勉強を長く続け、成果を出すための大事なポイントです。 ぜひ今回紹介した2つの方法を試して、自分なりの学びのスタイルを見つけてみてください。

