人生100年時代と言われる今、自分自身のキャリアを主体的にデザインし、変化の激しい時代を生き抜く力が求められています。そんな中で、個人のキャリア形成を専門的にサポートするキャリアコンサルタントの需要は年々高まっています。
「でも、忙しい社会人が働きながら資格を取るのは難しいのでは?」
「通学する時間はないけれど、通信講座で本当に取得できるの?」
そうお考えの方も多いでしょう。結論からお伝えすると、キャリアコンサルタントの国家資格は「通信講座」で取得することが可能です。
この記事では、多忙な社会人が資格取得を目指す際に知っておきたい、メリット・デメリットから、失敗しない講座の選び方、学習を成功させるためのコツまで解説します。
キャリアコンサルタントとは?その役割と需要の高まり

キャリアコンサルタントとは、キャリアに関する相談に応じ、助言や指導を行う専門家のことです。2016年に国家資格化され、その役割はますます重要になっています。 ※キャリアコンサルティング協議会
具体的な仕事内容としては、個人の価値観や興味、能力を引き出し、自己理解を深める支援を行います。そして、その人が望むキャリアプランの実現に向けて、具体的な情報提供や意思決定のサポート、行動計画の策定などを一緒に考え、伴走します。
なぜ今、キャリアコンサルタントの需要が高まっているのでしょうか。そこには以下のような要因が挙げられます。
- 労働市場の変化への対応
AIの進化やグローバル化などにより、求められるスキルや働き方が目まぐるしく変化しています。企業は従業員のリスキリング(学び直し)を支援し、個人は自らキャリアを形成していく必要に迫られています。 - 人生100年時代のキャリア形成
定年延長や副業の解禁など、働き方が多様化し、個人がキャリアを通じて長く活躍し続けるための支援が求められています。 - 個人のウェルビーイング向上
仕事の満足度は、個人の幸福感に直結します。キャリアコンサルタントは、仕事を通じて自己実現を図り、充実した人生を送るためのサポートも行います。 - 企業における人材育成の強化
企業にとっても、従業員のキャリア形成支援は、モチベーション向上や離職率低下、生産性向上に繋がる重要な経営課題です。
このように、個人と組織の両面からキャリア支援のニーズが高まっており、キャリアコンサルタントは社会になくてはならない存在となっています。この資格を取得することは、自身のキャリアアップだけでなく、社会貢献にも繋がるやりがいのある選択と言えるでしょう。
キャリアコンサルタント資格取得に「通信講座」を選ぶメリット・デメリット
キャリアコンサルタントを通信講座で資格取得を目指すことは、多くの社会人にとっては現実的な選択肢です。ここでは、通信講座を選ぶ具体的なメリットとデメリットを解説します。
メリット1:時間や場所に縛られず学習できる
通信講座の最大のメリットは、学習の自由度が高いことです。
- 多忙な社会人でも両立しやすい
仕事や育児、介護などで忙しい方でも、通勤電車の中、昼休み、子育ての合間、夜寝る前など、自分の都合の良い時間を見つけて学習を進められます。 - 地理的な制約がない
全国どこからでも受講でき、近くに通学できるスクールがない地方在住の方でも、キャリアコンサルタントを目指すことが可能です。 - 学習場所を選ばない
自宅、カフェ、図書館など、集中できる場所で学習に取り組めます。
これにより、ライフスタイルを大きく変えることなく、無理なく資格取得を目指せるのが大きな魅力です。
メリット2:費用を抑えられるケースが多い
一般的に、通信講座は通学講座に比べて費用を抑えられる傾向にあります。
- 受講料の差
通学講座は教室の維持費や人件費がかかるため、通信講座の方が受講料が安く設定されていることが多いです。 - 交通費・宿泊費の削減
通学の必要がないため、交通費や遠方から通う場合の宿泊費が一切かかりません。 - 教材費込みのケースも
多くの通信講座では、必要な教材が受講料に含まれており、追加費用を心配する必要が少ないです。
もちろん講座内容やサポート体制によって費用は異なりますが、経済的な負担を軽減できる点は、長期的な学習を考える上で重要な要素となるでしょう。
メリット3:自分のペースで学習を進められる
通信講座では、個人の理解度やスケジュールに合わせて学習速度を調整できる柔軟性があります。
- 理解度に応じた学習
苦手な分野は時間をかけてじっくり学び、得意な分野はスピーディーに進めることができます。 - 繰り返し学習が可能
動画講義やテキストを何度も見返せるため、一度で理解できなかった内容も確実に定着させられます。 - 急な予定変更にも対応
仕事やプライベートで急な予定が入っても、学習計画を柔軟に調整できるため、焦らず自分のペースで学習を継続できます。
この「自分だけの学習スタイル」を確立できることは、学習効果を高める上で非常に有効です。
デメリット1:自己管理能力が求められる
通信学習は自由度が高い反面、強い自己管理能力が求められます。
- モチベーション維持の難しさ
通学講座のように定期的な授業やクラスメイトとの交流がないため、一人で学習を続けるモチベーションを維持するのが難しいと感じる人もいます。 - 学習計画の立案と実行
自分で学習計画を立て、それを着実に実行していく規律が必要です。途中で挫折しないためには、明確な目標設定と計画的な進捗管理が不可欠です。
対策としては、具体的な学習計画表を作成したり、定期的に進捗を確認したり、時にはご褒美を設定するなど、工夫が必要です。
デメリット2:実践的な演習の機会が限られることも
キャリアコンサルタントの資格試験には、相談者との面談を想定した「実技試験(面接)」があります。通信講座では、対面でのロールプレイングやフィードバックの機会が通学講座に比べて限られることがあります。
- 対面での実践機会の少なさ
キャリアコンサルタントの仕事は、対人支援が中心です。非言語的コミュニケーションの習得や、実践的な面談スキルの向上には、実際に人と対面して練習する機会が重要になります。 - フィードバックの質
オンラインでのロープレや動画提出による添削は可能ですが、その場で直接指導を受けたり、他の受講生の面談を見て学ぶ機会が少ない場合があります。
最近では、オンライン会議システムを活用したグループ演習や個別ロープレ指導を取り入れている通信講座も増えていますが、申し込む前にその内容をしっかり確認することが大切です。必要に応じて、外部の模擬面談サービスや勉強会への参加も検討すると良いでしょう。
デメリット3:疑問をすぐに解消しにくい場合がある
通信学習では、疑問が生じた際にリアルタイムで講師に質問し、すぐに回答を得ることが難しい場合があります。
- 質問方法の制限
メールや質問フォーム、掲示板などでの質問が一般的で、回答が返ってくるまでに時間がかかることがあります。 - ニュアンスの伝わりにくさ
文章での質問は、口頭で質問するよりも意図が伝わりにくく、的確な回答を得るまでにやり取りを重ねる必要があるかもしれません。
多くの通信講座では、質問回数に制限があったり、回答までに数日かかることがあります。そのため、疑問を溜め込まず、積極的に質問を活用する姿勢が重要です。また、受講前にサポート体制として「質問対応の速さや丁寧さ」を確認しておくことをおすすめします。
キャリアコンサルタント通信講座で資格取得までの道のり

通信講座で国家資格を取得するまでの具体的なプロセスについて解説します。
資格取得に必要な学習内容と期間
キャリアコンサルタント国家資格を取得するためには、厚生労働大臣が認定する「キャリアコンサルタント養成講座」の修了が必須です。この養成講座は、学科と実技の両面から学習します。 ※厚生労働省
- 学科学習
キャリアに関する理論、カウンセリングの知識、労働法規、メンタルヘルスなど、幅広い分野の知識を習得します。 - 実技学習
カウンセリングの基本技法、面談の進め方、傾聴スキル、質問力など、実践的なスキルを身につけます。特に、実技試験には「論述」と「面接」があり、これらの対策に力を入れる必要があります。
養成講座の標準的な学習期間は、約3ヶ月〜6ヶ月程度です。これに加えて、国家試験対策の期間を考慮すると、全体で半年から1年程度の学習期間を見込んでおくと良いでしょう。通信講座の場合、通学よりも学習ペースを自分で調整できるため、もう少し長くかかる場合もあります。
通信講座の受講費用相場と教育訓練給付金
キャリアコンサルタント養成講座の受講費用は、通学・通信を問わず、概ね30万円〜50万円程度が相場です。通信講座は、通学講座に比べてやや安価な傾向がありますが、教材の内容や実技対策、質問・添削などサポート体制の充実度によって価格は大きく変動します。
この費用負担を大きく軽減できるのが、厚生労働省が実施している教育訓練給付金制度です。一定の条件を満たす方が、厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を受講・修了した場合、受講費用の一部がハローワークから支給されます。
キャリアコンサルタント養成講座は、多くが専門実践教育訓練給付金、あるいは一般教育訓練給付金の対象講座として指定されています。専門実践教育訓練給付金の対象講座で、受講中・修了後・資格取得後の条件を満たした場合には、受講料の最大80%(年間上限64万円)まで給付されるケースもあります。 ※厚生労働省
たとえば受講料が30万〜50万円程度の講座であれば、制度を最大限活用できた場合、実質的な自己負担額が6万〜10万円前後まで抑えられる可能性があります。
一方、一般教育訓練給付金のみの対象講座では、受講費用の20%(上限10万円)が支給される形になります。
給付金の区分ごとに、雇用保険の被保険者期間や利用回数などの条件が定められています。初めて利用する場合と2回目以降では要件が異なることもあるため、事前に必ずハローワークで確認しましょう。
受講前にハローワークで受給資格を確認し、「どの給付金区分に当たる講座か」「給付率と上限額はいくらか」を確認してから申し込みます。講座を修了し、必要書類を揃えたうえでハローワークに申請すると、受講料の一部が後日支給されます。
給付金の対象区分や給付率・上限額は講座によって異なります。講座選びの際は、受講料そのものだけでなく、教育訓練給付金の対象かどうか、どの区分でどの程度の給付を受けられるかを、公式サイトやパンフレット、ハローワークで必ず確認しておきましょう。
資格試験の概要と合格までのステップ
養成講座を修了したら、いよいよ国家試験です。
- 受験資格の取得
厚生労働大臣が認定する養成講座を修了するか、または実務経験があることが受験資格となります。 - 試験実施団体
試験は、特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会(CCC)と、特定非営利活動法人日本キャリア開発協会(JCDA)の2団体が実施しています。どちらで受験しても、国家資格としての価値に差はありませんが、実技試験の内容に若干の違いがあります。 - 試験日程
年3回(概ね3月、7月、11月頃)実施されます。 - 試験形式
学科試験
マークシート方式で、キャリアコンサルティングの知識が問われます。
実技試験
・論述
事例記録を読み、設問に答える筆記試験です。
・面接
キャリアコンサルタント役として、相談者役の試験官と模擬面談を行います(ロールプレイング)。 - 合格基準
学科と実技の両方に合格する必要があります。 - 資格登録
試験合格後、厚生労働省に登録することで、国家資格「キャリアコンサルタント」として活動できるようになります。
これらのステップを理解し、計画的に学習を進めることが合格への鍵となります。 ※厚生労働省
失敗しない!キャリアコンサルタント通信講座の選び方

数多くある通信講座の中から、自分に最適なものを選ぶためには、いくつかの比較ポイントがあります。後悔しない選択をするために、以下の点を参考にしてください。
1. 講座内容とカリキュラムの充実度
まずは、提供される学習内容が、国家試験合格に十分なレベルであるかを確認しましょう。
- 学科と実技のバランス
学科だけでなく、特に実技試験対策(論述・面接)のカリキュラムが充実しているかを確認します。 - 教材の質
テキストの分かりやすさ、動画講義の質、副教材の有無(ワークシート、過去問集など)をチェックしましょう。無料体験や資料請求でサンプル教材を確認するのも良い方法です。 - 最新の試験傾向への対応
国家試験は内容が改定されることもあるため、常に最新の試験傾向に対応したカリキュラムを提供しているかを確認しましょう。 - オンライン学習システムの使いやすさ
学習管理システム(LMS)の操作性、動画の視聴環境、進捗管理機能なども、学習効率に影響します。
2. サポート体制の充実度(質問対応・添削指導など)
通信学習のデメリットを補うため、サポート体制は非常に重要です。
- 質問対応
質問回数に制限があるか、回答までの目安期間、質問方法(メール、チャット、電話など)を確認しましょう。疑問を速やかに解消できる体制が整っているかどうかが、学習の継続を左右します。 - 添削指導
特に論述対策の添削指導は、客観的なフィードバックを得る上で不可欠です。添削回数、フィードバックの質、丁寧さを確認しましょう。 - 学習相談体制
学習の進め方やモチベーション維持について相談できるカウンセリングやコーチング制度があるかどうかも、チェックポイントです。 - 受講期間の延長制度
万が一、期間内に修了できなかった場合に、無料で受講期間を延長できる制度があるかどうかも確認しておくと安心です。
3. 合格実績と受講生の声
講座の信頼性や効果を測る上で、過去の合格実績や受講生の評判は貴重な情報源です。
- 合格実績
公表されている合格率や、合格者数の実績を確認しましょう。ただし、合格率の算出方法には注意が必要です。 - 受講生の声・口コミ
実際に受講した人たちの体験談やレビューを参考に、講座の雰囲気、講師の質、サポートの満足度などを把握しましょう。ただし、個人の感想であるため、あくまで参考情報として捉えることが大切です。
4. 費用と教育訓練給付金の有無
受講費用は、講座選びの現実的な要素です。
- 総費用
受講料だけでなく、教材費、システム利用料など、トータルでかかる費用を比較しましょう。 - 教育訓練給付金の対象か
前述の通り、教育訓練給付金の対象講座であれば、経済的な負担を大きく軽減できます。忘れずに確認しましょう。 - 支払い方法
分割払いやクレジットカード払いなど、支払い方法の選択肢も確認しておくと良いでしょう。
5. 実践演習・ロープレ指導の機会
実技試験対策は、通信講座の弱点となりがちですが、最近では工夫を凝らした講座が増えています。
- オンラインロープレ
Zoomなどのオンライン会議システムを利用したグループ演習や、講師との個別ロープレ指導の機会が提供されているかを確認しましょう。 - 動画提出によるフィードバック
自身の面談練習を録画して提出し、講師からフィードバックを受けられるサービスがあるかどうかも重要です。 - 対面指導の有無
オプションとして、対面でのスクーリングや模擬面談会が用意されている講座もあります。
これらのポイントを総合的に比較検討し、ご自身の学習スタイルや目的に合った通信講座を選びましょう。
キャリアコンサルタント通信学習を成功させるためのコツ
通信学習は、自己管理が重要となるため、いくつか成功させるためのコツがあります。これらを実践することで、効率的かつ効果的に学習を進めることができるでしょう。
学習計画を立ててモチベーションを維持する
長期的な学習となる通信講座では、計画性とモチベーション維持が不可欠です。
- 具体的な目標設定
いつまでに何を終わらせるのか、具体的な目標(例:〇月までに学科のテキストを一周する、週に〇時間学習する)を設定しましょう。 - 無理のない計画
仕事やプライベートとのバランスを考慮し、現実的に実行可能な学習計画を立てます。毎日少しずつでも良いので、継続することが大切です。 - 進捗の可視化
学習計画表を作成し、終わった項目にチェックを入れるなどして、進捗状況を「見える化」しましょう。達成感を得られ、モチベーション維持に繋がります。 - 学習仲間との交流
オンラインコミュニティやSNSなどを活用して、同じ目標を持つ仲間と情報交換したり、励まし合ったりするのも良い方法です。 - 適度な休憩とご褒美
無理なく続けるために、適度な休憩を取り入れ、目標達成時には自分にご褒美を設定するのも効果的です。
アウトプットの機会を積極的に作る
学んだ知識をただインプットするだけでなく、アウトプットすることで知識の定着を深め、実践力を高めることができます。
- 模擬試験の活用
定期的に模擬試験や過去問を解き、自分の弱点を把握しましょう。 - 論述問題の繰り返し練習
論述問題は、書く練習を繰り返すことで、構成力や表現力が向上します。添削指導を最大限に活用しましょう。 - ロールプレイング練習
家族や友人、あるいは学習仲間を相手に、積極的にロールプレイングを行いましょう。実際に言葉に出して練習することで、面談スキルが向上します。 - 勉強会への参加
可能であれば、オンラインや対面での勉強会に参加し、他の受講生とのディスカッションや情報交換を通じて、多角的な視点や新たな気づきを得るのも有効です。
通信講座のサポートを最大限に活用する
せっかく受講するのですから、講座が提供するサポート体制を余すことなく活用しましょう。
- 質問制度の積極的な利用
疑問はすぐに解消し、理解を深めることが重要です。質問回数に制限がある場合でも、まとめて質問するなど工夫して活用しましょう。 - 添削指導の活用
提出課題や論述問題の添削は、客観的なフィードバックを得られる貴重な機会です。積極的に提出し、フィードバックを真摯に受け止め、次回の学習に活かしましょう。 - オンラインコミュニティへの参加
講座によっては受講生向けのオンラインコミュニティが用意されている場合があります。情報交換や悩み相談を通じて、一人で抱え込まずに学習を進められます。 - 学習相談の利用
もし学習に行き詰まりを感じたら、学習相談サービスがあれば積極的に利用しましょう。専門家のアドバイスは、停滞した状況を打開するきっかけになることがあります。
これらのコツを実践し、計画的に、そして積極的に学習に取り組むことで、通信講座での資格取得を成功させることができるでしょう。
まとめ
この記事では、キャリアコンサルタントの通信講座での資格取得について、そのメリット・デメリットから、講座選びのポイント、学習成功のコツまでを詳しく解説しました。
キャリアコンサルタントは、変化の激しい現代において、個人が主体的にキャリアを形成し、充実した人生を送るための重要な役割を担う専門職です。この資格は、あなたのキャリアアップだけでなく、誰かの人生を豊かにするやりがいにも繋がるでしょう。
- 仕事や家庭、育児などで忙しく、通学する時間が限られている社会人
- 近くに通学できるスクールがなく、学習場所が限定される方
- 自分のペースでじっくりと学習を進めたい方
- 受講費用をできるだけ抑えたいと考えている方
- 自己管理能力に自信があり、自律的に学習に取り組める方
通信講座は、これらの制約がある中でも、国家資格取得という目標を現実のものにするための強力な選択肢となります。
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もしあなたがキャリアコンサルタントという仕事に少しでも興味を持ち、通信学習で資格取得を目指したいとお考えなら、まずは具体的な第一歩を踏み出してみましょう。


